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***輝け主の栄光***Shine, Jesus, Shine


by lumenchristi
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あの日、焼け残ったもの

年間第19月曜日
第10回百日連続共同祈願 86/100


あの日、焼け残ったもの_f0185902_1734149.jpg


午前11時前、テレビのスイッチを入れた。
1ヵ月前訪れた長崎市の平和祈念像前の式典広場は人で埋まっている。
11時02分、テレビの向こうの人々と共に黙祷する。

先月長崎を訪れた際、聖母の騎士社のコルベ記念館で購入した
『まんが・焼けたロザリオ~原爆を生き抜いた少年の数奇な運命と新たな心の世界』に
改めて目を通す。
7月7日付の記事にはコルベ記念館の館長である小崎登明修道士さんの著作と書いたが、
正確には小崎さんを主人公とする物語で、
著作は漫画を描いた、しおうらしんたろう(塩浦信太郎)氏になっている。
この漫画は1986年に他社から出版され、絶版となった。
昨年2009年に聖母の騎士社から改訂版が発行されることになった経緯は、

小崎登明の部屋~10.登明通信2009.10

に述べられている。

漫画のこの本を選んだのは、子供が手にとって読みやすいと思ったから。
案の定、長崎から帰って来てこの本をテーブルの上に置くと、
中学生の娘はさっそく手を伸ばして読み始めた。

タイトル中の「焼けたロザリオ」は、
原爆投下後自宅に戻った少年が残骸の中から見つけた黒こげのロザリオのこと。
お母様が肌身離さず持っていた信仰と祈りのしるしだった。

永井隆博士は被爆直後、自らの怪我も顧みず被災者の治療に専念し、
翌日8月10日に帰宅、緑夫人の遺骨と夫人愛用の焼けただれたロザリオを発見する。
1951年5月1日に帰天されるまで6年、ほとんどの期間を如己堂の病床から
キリスト者としてまた医師としてなすべきことをされた。

小崎登明修道士はあの日から65年、さまざまな苦しみを抱えながらも
キリスト者として、被爆者として、聖マキシミリアノ・マリア・コルベの息子として
証しをしてこられた。

聖書の言葉にこう一言付け加えたくなる。

だれが、キリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。
艱難か。苦しみか。迫害か。飢えか。裸か。危険か。剣か。原爆か。
「わたしたちは、あなたのために一日中死にさらされ、
屠られる羊のように見られている」と書いてあるとおりです。
しかし、これらすべてのことにおいて、
わたしたちは、わたしたちを愛してくださる方によって輝かしい勝利を収めています。

(新共同訳聖書『ローマの信徒への手紙』8・35-37)
by lumenchristi | 2010-08-09 23:31