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***輝け主の栄光***Shine, Jesus, Shine


by lumenchristi
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神の王国

王であるキリスト(年間最終主日)
第八回百日連続共同祈願 069/100/8


神の王国_f0185902_13325285.jpg


「王であるキリスト」という祭日が暦に加えられたのは、
意外と最近で、1925年(大正14年)12月11日に、
教皇ピオ11世が回勅「クァス・プリマス」(Quas Primas)を通して制定しました。

第一次世界大戦と第二次世界大戦のはざま、
共産主義国家が生まれ、ヒットラーやムッソリーニが台頭する中、
1000年以上所有していた教皇領は消滅し(1870年)、
現在バチカン市国として知られる東京ディズニーランドよりも小さい敷地から、
ピオ11世はあらゆる国家を超える普遍的なキリストの王権を宣言しました。

バチカンの公式サイトに掲載されている英訳(他にもラテン語・伊仏西訳あり)の一部を
和訳してみました。

もしカトリック世界全体がキリストを王として崇敬することを私が定めるなら、
現代の必要に応えることになり、
同時に今社会を汚染する疫病に効く優れた治療薬を提供することになります。
私が言う疫病とは、反聖職権主義とその誤りと不敬な活動です。
敬愛する兄弟たちよ、あなたがたも十分御承知のとおり、
この悪しき風潮は1日にして出現したのではありません。
長い間表面下に隠れていたのです。
すべての国に及ぶべきキリストの支配は拒絶されました。
教会がキリストご自身から受けている権利、すなわち人類に教え、法を定め、
永遠の救いに関するすべてにおいてあらゆる国民を治める権利は否定されました。
そして次第にキリスト教は誤った諸宗教のように見なされ、
屈辱的にもそれらと同じ地位に置かれるようになりました。
それから教会は国家の権力下に置かれ、おおよそ君主や支配者の気まぐれに耐えてきました。
一部の人々はさらに進んで、
神の宗教の代わりに人の心の本能的な愛情からなる自然宗教を設立することを願いました。
さらにある国々の人々は、自分たちは神なしでやっていける、
不敬と神をないがしろにすることこそ自分たちの宗教であると考えました。
このようにキリストの権威に逆らう個人と国家の反逆は嘆かわしい結果を生んできました。
すでに回勅「ウビ・アルカノ」(訳注・「キリストの王国におけるキリストの平和」、1922)で
嘆きましたが、今一度嘆かずにはいられません。
不和の種は広範囲にばらまかれ、
国家間の悲痛な敵意と対立はいまだに平和という目的を大きく妨げています。
飽くことを知らない貪欲(どんよく)は、しばしば公共心や愛国心を隠れみのにしてまかり通り、
多くの個人間の不和を生じさせています。
盲目的で節度を欠いた利己主義によって人は自分の安楽と利益のみを求め、
それらによってすべてを測っています。
家庭には平和がありません。人が自分の務めを忘れるかあるいは顧みないからです。
家族の一致と安定は弱体化するばかりです。
一言でいえば、社会は根底から揺るがされ、破滅の道をたどっているのです。
しかし、これから毎年祝うことになる王であるキリストの祝日は
社会が私たちの愛する救い主のもとに立ち帰る日を早めてくれることを私は強く望んでいます。
この幸福な結果を生じさせるためにできるかぎりのことをすることこそ、カトリック信者の務めです。
しかし、多くの信者たちは、
真理のたいまつを掲げる者たちにあって当然の社会的地位も権威も持っていません。
この状態はおそらく善意の人々が抱いているためらいと臆病に起因しているのでしょう。
彼らは闘争に巻き込まれることを好まず、反対したとしても強硬に抵抗はしません。
それで教会の敵はますますあつかましく攻撃をしかけてくるのです。
しかし、信徒たちが、
彼らの王キリストの旗のもとに勇敢に戦うことは彼らの義務であることを広く理解するなら、
使徒的熱意に燃えて、主に敵意を抱いたり主から遠ざかっている人々を
主のために勝ち取ろうと努力を惜しまず、果敢に王の権利を守ろうとするでしょう。(24)


この祭日は当初11月1日の諸聖人の祝日の前の主日に祝っていましたが、
第二バチカン公会議の典礼改正後、年間最終主日に移行されました。

教皇ピオ11世が「クァス・プリマス」の前半で再確認しているように、
キリストが王であることは、今日のミサで朗読された箇所を含め、
旧約聖書と新約聖書を通して証しされています。

日本語で「神の国」と訳されている新約聖書のギリシア語は、
正確には「神の王国」(バシレイアス・トウ・テオウ)です。
英語でも、"the kingdom of God"と訳されています。

ご自分の民と永遠の命を共有するために
いばらの冠を受け入れられた王(バシレウス)、イエス。
これほど王から愛されている民が、
聖霊によって「使徒的熱意に燃えて」神の王国を広げることができますように。
by lumenchristi | 2009-11-22 23:55